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コラム

(知財判例:1)裏事情を知ると判例がよくわかる!

最高裁判決平成11年4月16日「医薬品販売差止請求」事件

今回ご紹介する判決は、弁理士試験平成15年度論文式試験の特許法でも論点の一つとして出題された、後発医薬品に関する最高裁判決です。

後発医薬品については、先日の新聞記事で、ジェネリック医薬品の普及により医療費を削減し、社会保障費を圧縮するために、平成20年度より、ジェネリック医薬品の「お試し調剤」(分割調剤)制度の導入が検討されているとのことでした。最近の時事ネタに関連する事項として、本年度弁理士試験対策においても要チェックです!

 

本判決では、後発医薬品につき、薬事法所定の製造承認申請に必要な試験を行うために、特許権の存続期間中に特許医薬を製造した行為は、特69条1項の「試験又は研究のためにする実施」に該当し、当該特許権を侵害するものではないと判断されました。

本判決を理解するには、製薬業界の裏事情を知ると、理解が深まります。

医薬品等の発明については、他の発明と異なる事情があります。例えば、医薬品等についてだけ、特許権の存続期間の延長が認められていることからも明らかなとおり、医薬品等の発明は、出願してから20年後においても、更に存続期間を延長したいというニーズがあります。発明が陳腐化しにくいのです。

多くの発明は、時の経過と共に陳腐化します。存続期間満了まで陳腐化しない技術は必ずしも多くありません。例えば、電気製品などは、次々に新しい機構のものが出願します。改良されずに20年もの間、需要があり続ける製品は多くはありません。

しかし、医薬品の場合には、対象となる病気が根絶されない限り、需要があり続けます。したがって、20年といわず可能な限り長期間市場を独占できれば、ビジネス上きわめて有利になります。しかも、医薬品の開発には他の技術分野と比べても多大な費用と時間がかかり、特許権者としては、できるだけ独占期間を延ばして投資を回収したい事情があります。一方、後発医薬品メーカーは、特許権の存続期間満了後から直ちに後発医薬品(ジェネリック医薬品)を販売開始したいので、当該特許権の存続期間中から販売のための準備をしたい事情があります。

本判決は、このような医薬品業界の特殊事情を背景にしたものなのです。本判決が出される前の地裁・高裁の下級審判決では、特許権侵害を認定したものと否定したものとが混在し業界では混乱がありましたが、本判決によって判断の決着がつきました。

プログレッジでは、来る3月14日、15日に「重要判例・集中整理」特別講座を実施いたします。
最近の弁理士試験の傾向では、短答式試験、論文式試験のいずれにおいても、重要判決に関する知識が問われています。

知財コラムでも随時情報発信を行っていきますが、本年度弁理士試験を受けられる方々に役立つ判例情報が満載の特別講座に是非ご参加下さい。

 

※詳細は、下記ページを参照して下さい。
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